今年で37回目を迎えた伝統のイベント「愛知サマーセミナー」に特別講師として当協会のパッチワークキルト指導員・小松有希先生がご登壇されました。
愛知サマーセミナーとは
愛知サマーセミナー(サマセミ)は、「誰でも先生、誰でも生徒、どこでも学校」を合い言葉に、 教えたいこと、伝えたいことがあれば、誰でも先生になれ、学びたいことがあれば、誰でも生徒になれる 、「みんなでつくる夢の学校」です。
1989年から始まり、今では3日間で1000講座、のべ3万人が学ぶイベントに成長しています。愛知の主に私立の中・高校の教師、父母、生徒と市民が実行委員会をつくって運営をしています。
サマーセミナーHP
毎回著名な方が講師を務めることでも有名な「サマセミ」に、今回、講師としてご参加が決まってからセミナー当日まで、どんなご様子だったのか小松さんに伺いました。
ーー今回、どのような経緯で講師をされたのですか?
サマーセミナーの実行委員会から「今回はパッチワークの講師を招きたい」という相談が日本ヴォーグ社さんにあり、それを受けて日本手芸普及協会の事務局に「適任者を推薦してほしい」という相談が持ちかけられたそうです。
愛知県内で活動している私に声をかけていただきましたが、最初は少し尻込みしていました。ですが、自分のアイデアをキルト部門委員の木藤先生にお話ししたところ、すごく褒めていただき背中を押していただいたので、お引き受けすることにしました。
ーーどのようなアイデアだったのですか?
キルトの歴史、グリッド構成による数学的魅力、パターンの持つストーリー、日常のファッションにも活かせる色彩学をお話しながら、色の力、キルトに助けられる優しい時間が生まれることをお伝えして、少し制作もしていただくような、盛りだくさんな講座のアイデアでした。
お話をいただいてから、一旦お断りしようかなと思いながらも、どんな風に対応しようかと考えてはじめていましたね。
ーーとても興味深い内容ですね。準備は大変だったのではないでしょうか?
まず、私の子どもたちもずっと公立だったので知らなかったですが、サマーセミナーは県内の私学がかなりの熱量を持って取り組んでいて、歴史もあり、名古屋市内の先生方・学校・保護者・生徒さん方など多くの方が力を合わせて盛り上げている、毎年開催されているイベントだったことがわかりました。
誰でもが講師になれるというのも「サマセミ」の特徴で、講師に応募される方も多いのですが、私は依頼を受けて講師をやらせていただくので「特別講師枠」として、ポスターにも載せていただきました。多くの著名人が並ぶ中で、私は一般人ですので恐縮してしまいました。
さらに、たくさんいる特別講師の方々の中から「特別講師代表」として依頼があり、決起集会で講師や運営として参加される方々600人を前にスピーチをする機会もありました。
今までPTA会長をしたり、人前でお話しする機会は様々あったのですが、その時は逃げ出したくなるくらい緊張しましたね。でも、キルトの魅力をたくさん話すことができたと思います。
講座に参加されるのが初心者の方が多くなる想定でしたので、制作物は初心者さんでも短時間でできるようシンプルなポーチを考えていました。講義内容の数学的魅力の中に出てきた「フィボナッチ数列の数字にリンクしたもの」というアイデアは比較的早くまとまったのですが、簡単でシンプルなだけに、センスの良い布を用意することや、出来上がり線書き込んで縫い代きっちりカットして縫うばかりにした布を準備するなど、受講生の手間も簡略する工夫したので、キットの準備は時間がかかりました。
配布するプリントも、手書きで用意しました。家族にも、AIとかで作った完璧な文章・プリントでなく、私の人柄や良さが伝わる手書きの方がいいと言われまして、いつものように手書きで準備しました。
結果、ご参加いただいた方にも、思った通りに伝わったようで、うれしかったです。

ーー手書きのイラストも入っていて、プリント1枚の中にもたくさんの思いやメッセージが伝わりますね。準備万端でむかえた当日はいかがでしたか?
事前告知と日程や教室が変更になり、少し心配していたのですが、当日は23名の方にご参加いただきました。
キルトの歴史、暮らしに活かせる色彩学、キルトにおける数学的魅力について、端折りながら15分で説明するつもりが、気づいたら30分以上お話ししていました。それでも皆さん興味のある目で聞いてくださいました。資料はA3が、3枚、参考資料が4枚で、お一人7枚配布しました。
そのあと数学のお話で話したフィボナッチ数列とリンクした内容で、どこの寸法もフィボナッチ数列の数字でできているというシンプルポーチの制作時間にしました。型紙も全て描いてカットして、作業を減らす工夫を満載にしましたが、参加者の8割が玉留めができない方で思ったよりはかどらず、多くの方が仕上げるところまではいきませんでした。
また、資料のホッチキスにはハギレを貼ってお渡しし、当日はかごに入ったハギレを用意しておいて、隣に貼っていただき、色彩学の組み合わせを遊んでいただいたりもしました。
参加者の中には決起集会での私のスピーチを聞いてくださり、「どうしても参加したくて、35年ぶりの同窓会やホテル予約をキャンセルして来ました」と、おっしゃってくださった方も見えて、とても嬉しかったです。

参加者の方々が寄せてくださった感想も読ませていただきましたが、小・中・高校生から大人まで、様々な世代の手芸にあまり触れてこなかった方にもキルトの魅力がつたわる講座だった様子が伝わってきました。
あふれるアイデアを素敵な講座にまとめて、楽しく講義される小松先生。特別講師代表に選ばれた理由もよくわかる気がします。
小松先生、貴重で楽しいお話をお聞かせいただき、本当にありがとうございました。