『ハンディクラフツ』 Vol.122より抜粋
カリグラフィー部門の読み物コーナー「Person」では、精力的に活動をされている会員を毎号ご紹介しています。
◆遠藤みちよさん (東京都)
当協会カリグラフィー部門師範。都内と千葉県で教室を開いているほか、カリグラフィー部門委員も務めている。 *画像はすべてご本人提供
あるとき偶然、書店でカリグラフィーの本が目に留まり、その美しさにときめきました。当時は共働きで忙しく、またそれが“習えるもの”との認識もなかったのでそのまま時が過ぎました。数年後に夫が地方転勤になり、私も仕事を辞めて帯同。習い事でも始めようかとカルチャーセンターの講座案内を眺めていて「カリグラフィー」を見つけました。それが23年前です。初めは小文字をひと文字書くのもやっとでしたが、コツコツ練習を重ねているうちに、運良く作品展に出展させてもらえる機会がありました。美大を卒業したわけでもデザインを勉強したわけでもない私の作品を展示してもらえるなど、予想もしていないことでした。もっと上手に、もっときれいに、あの時書店で見た本の文字のように美しく書きたいと、真剣に学ぶようになりました。その本の著者であった小田原真喜子先生にご指導いただくようになって今年で21年目になります。追いつくことのできない師が前にいることは有り難いことです。追いかけているうちに、活動の幅も広がり、教える立場にもなりました。
教室は2009年に始めました。10書体を学んだところで、ステップアップしたいと思ったのがきっかけです。生徒様に恵まれ、お教えすることも楽しくなり、現在は四谷と船橋で教室を開いています。コロナ禍でカルチャーセンターの閉鎖などもありましたが、場所を変えて継続し、今日まで続けられていることが私の誇りです。
2015年・2016年に船橋東武百貨店で開催された展示即売会に生徒さん達と参加
四ツ谷教室レッスン風景
2023年11月には、船橋市民ギャラリーにて船橋教室の作品展を開催しました。イベントや作品展は生徒さんのモチベーションアップにつながる貴重な体験です昨年は、カリグラフィープレ通信講座の制作に大賀容子先生と一緒に携わらせていただきました。カリグラフィーを本格的にはじめる前に「ちょっと体験してみたい」という方にオススメの講座です。また、バラの描き方動画の制作もさせていただきました。バラの模様はカリグラフィーの文字と相性がよく、一輪添えるだけでも文字を引き立ててくれます。ですが苦手意識を持っていらっしゃる方も多いと思います。かつての私もそうでした。そのとき身につけた攻略法を生かして制作した動画です。なるべくアップで撮影し、ゆっくり描くように心がけました。ご覧くださった方からは「分かりやすい」とのお言葉をいただけたので、バラが苦手な方にはぜひ観ていただければ幸いです。
今年は(協会主催の)作品展が開催される年です(※注 第7回カリグラフィー作品展 2026年12月10日~12日 クラフティングアートギャラリーにて)。作品のテーマはすぐに決まる時もあれば、何日も悩むこともあります。特にこだわりは持たず、インスピレーションで決めることが多いです。ひとつの作品を創り上げていく時間は、とても楽しく、時に苦しく、カリ友の皆さんと励まし合う癒やしの時間でもあります。そして完成したときの充実感は長距離マラソンを走りきったときの感覚に似ています(元陸上部です)。毎回、数々の素晴らしい作品が並ぶ明るい会場は、私にとって3日間とても大切な場所になります。私を含めた出展者にとってこの作品展がよりよいものになるよう、また、出展者以外の方にも興味をもってもらい、カリグラフィーの普及に繋がるよう、精一杯お手伝いを頑張ります!