日本手芸普及協会会員の方へ無料観覧チケットをお渡ししています
刺繍-針がすくいだす世界
・無料入場チケット:2枚/お一人
受取方法:
★その1
協会営業時間 平日9:00~17:00(土日祝日休み)に受付にて手渡し
「会員番号」と「お名前」をお伝えの上チケット枚数「1枚」または「2枚」とお伝えください
★その2
110円の切手を同封し「会員番号」と「お名前」をお伝えの上チケット枚数「1枚」または「2枚」と
記載の上、下記住所までお送りください。
〒164-0013
東京都中野区弥生町5-6-11-1F (公財)日本手芸普及協会 刺しゅう部門
刺しゅうチケット対応係まで
※チケットは無くなり次第配布終了となります
パンフレットはこちら
展覧会の概要
上野アーティストプロジェクト第9弾として開催する本展では、布地などに針で糸を刺し、縫い重ねる手法によってかたちづくられた多彩な造形と表現に注目します。手に持った針を動かし、布の表裏の行き来を繰り返す「刺繍(ししゅう)」と呼ばれるような仕事は、つくり手に自分だけの世界に潜りこむことを促し、安らぎや自己解放、時に救済をももたらすものだと言われます。一方で、布地の補修や装飾、信仰などのため、様々な時代、様々な場所で土地の風土に根ざしながら発生してきたこの手わざは、時間・空間を隔てた他者の生活への想像力を働かせるきっかけともなり得るものです。
近世以来の刺繍職人の家に生まれ、伝統的技法に基づきながら革新的な表現を追い求めた平野利太郎(ひらの としたろう・1904〜1994)。西洋刺繍の知識を土台に、羊毛の糸を用いた躍動感ある絵画的な刺繍作品を発表し、日本手芸普及協会の会長も務めた尾上雅野(おのえ まさの・1921〜2002)。いつかどこかで目にし、記憶した風景や事物を、自由なステッチで画面上につくり上げていく岡田美佳(1969〜)。つくることをめざすのではなく、自分の奥底に流れる時間や感覚を確かめるかのように、日々、糸を刺し続ける伏木庸平(ふせぎ ようへい・1985〜)。ベンガル地方の女性たちの間で古布再生や祈りの思いから生まれ継承されてきたカンタと呼ばれる針仕事に共鳴した望月真理(1926〜2023)。
本展では、以上の大正末から現在にいたる国内の5名の刺し手たちの活動をみつめます。それぞれが手を動かし、布の上にすくい上げた「かたち」と向き合うことで、針と糸というシンプルな道具とともに続けられてきたこのいとなみの意味と可能性について、考える機会となれば幸いです。
工芸分野、アート分野、手芸分野から、刺繡を切り口にして集められた5人の作家の作品は、すべての手仕事をする者にとって刺激になるはずです。
ぜひお運びください。